
枢機卿とは?

枢機卿とは
枢機卿(すうききょう、ラテン語: Cardinalis、英: Cardinal)は、カトリック教会におけるローマ教皇に次ぐ高位の聖職者であり、教皇の最高顧問として重要な役割を担っています^1_1^1_3。
主な役割と機能
- 枢機卿は「枢機卿団」を構成し、教皇を直接補佐します^1_1。
- 教皇が亡くなった際などには、教皇選挙(コンクラーヴェ)を行う権限を持つのは枢機卿のみであり、80歳未満の枢機卿に投票権があります^1_2^1_8。
- 教皇庁の各省の長官や、世界各国の教会の要職に任命されることもあります^1_3。
- 枢機卿は原則として司教叙階を受けた聖職者の中から教皇が自由に任命し、任期は設けられていません^1_1。
位階
枢機卿には、教会法典第350条により以下の三つの位階があります^1_1^1_4。
- 司教枢機卿(Cardinal-bishops)
- 司祭枢機卿(Cardinal-priests)
- 助祭枢機卿(Cardinal-deacons)
これらはカトリックの通常の聖職位階(司教・司祭・助祭)とは別の区分ですが、実際にはほとんどがすでに司教叙階を受けています^1_1^1_4。
象徴と称号
- 枢機卿は、信仰のために命を捧げる覚悟を表す「緋色(カーディナルレッド)」の聖職者服を着用します^1_1。
- 正式な称号は「聖なるローマ教会の枢機卿」。
- 枢機卿(カーディナル)という言葉は、ラテン語の「Cardo(蝶番)」に由来し、「教会の要」としての重要性を示します^1_1。
- 敬称は「猊下(げいか)」です^1_1。
歴史的背景
- 11世紀以降、教皇選挙の有権者は枢機卿団に限られるようになり、世俗の介入を防ぐ制度となりました^1_3。
- 枢機卿の定員や役割は時代とともに変化してきましたが、現代でもカトリック教会の中枢を担う存在です^1_3。
まとめ
枢機卿はカトリック教会において教皇に次ぐ最高位の聖職者で、教皇の顧問や補佐として枢機卿団を構成し、教皇選挙の投票権を持つなど、教会の運営や継承において極めて重要な役割を担っています^1_1^1_3。
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カトリック教会にはローマ教皇や枢機卿の他にどのような役職があるのですか?また、その人数は?序列順に解説して下さい。

カトリック教会の主な役職と序列・人数
カトリック教会には、ローマ教皇や枢機卿以外にも多数の役職が存在し、厳格な序列が定められています。以下、主要な役職を序列順に解説し、人数についても触れます。
序列順の主な役職
序列 | 役職名 | 概要・人数(目安) |
---|---|---|
1 | ローマ教皇(法王) | カトリック教会の最高指導者。常に1名。 |
2 | 枢機卿 | 教皇の最高顧問。世界で226人(2024年時点)^2_6。教皇選挙権を持つ80歳未満は約120人^2_1。 |
3 | 大司教(府主教) | 重要な教区(大司教区)の長。日本には3名(東京・大阪・長崎)^2_6。 |
4 | 司教 | 各教区の長。日本には16の教区(大司教区含む)^2_6。世界では約5,000人規模。 |
5 | 司祭(神父) | 各教会・小教区の責任者。人数は国や地域によって大きく異なるが、日本では約900人^2_6。 |
6 | 助祭 | 司祭の補佐。人数は司祭よりやや少ない^2_2。 |
役職ごとの解説
ローマ教皇(法王)
- カトリック教会の最高指導者であり、全世界の信徒の精神的リーダー。常に1名^2_3。
枢機卿
大司教(府主教)
- 重要な大司教区(管轄教区の中枢)の長。日本では東京・大阪・長崎の3名^2_6。
- 世界的にはさらに多くの大司教が存在し、複数の教区を束ねることもある。
司教
司祭(神父)
- 各教会(小教区)の責任者で、ミサや洗礼などの秘跡を執行する^2_3。
- 日本では約900人、世界では数十万人規模。
助祭
その他の役職
- 協働司教・補佐司教:司教を補佐する役職。大規模な教区に配置されることがある^2_4。
- 教区長:教区の運営責任者で、通常は司教が務める^2_2。
- 主任司祭:小教区の代表司祭^2_2。
- 修道士・修道女:修道会で奉仕するが、聖職者とは区別される。
補足
- 聖職者(助祭・司祭・司教)は「叙階の秘跡」によって任命される終身の役職であり、教会組織の役職(教区長、大司教など)は任命制で定年が設けられています^2_2。
- ローマ教皇以外の役職の人数は、教区や国によって異なりますが、上記は日本や全世界の目安です。
まとめ
カトリック教会の序列は、ローマ教皇→枢機卿→大司教→司教→司祭→助祭の順で構成され、各役職ごとに世界規模・日本国内での人数が異なります。枢機卿以上はごく少数で、司祭や助祭は各地の教会で信徒の生活に密着した役割を担っています^2_1^2_3^2_5。
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Cardinalisはカタカナで表すとどうなりますか?またそれに、枢機卿という漢字が当てられている理由は?そもそも、この文字の意味は?

「Cardinalis」のカタカナ表記
「Cardinalis」(ラテン語)は、カタカナでは「カーディナリス」と表記されます^3_5。
なお、英語の「Cardinal」は「カーディナル」や「カージナル」などとも表記されますが、ラテン語の原形「Cardinalis」は「カーディナリス」が一般的です^3_5。
「枢機卿」という漢字が当てられている理由
「枢機卿」は、「Cardinal(カーディナル)」の日本語訳として当てられた漢字表現です^3_2。
- 「枢機」は「重要な機構」「中枢となるはたらき」を意味し、教会の中で中心的・要となる役割を担うことを表しています^3_3。
- 「卿」は、古くは高位の貴族や官僚に対する敬称で、「~卿」と使われます。英語の「Lord」や「Sir」に相当する敬称です^3_2。
このため、「枢機卿」という表現は、「教会の要職にある高貴な人」という意味合いを持たせて訳されたものです^3_2。
「枢機卿」という文字の意味
- 枢(すう):扉の蝶番や要(かなめ)を指し、転じて「物事の中枢」「重要なところ」という意味。
- 機(き):仕組みやはたらきを意味し、「枢機」で「中枢のはたらき」「重要な役割」を表します。
- 卿(きょう):高位の官職や貴族に対する敬称。日本語では「~卿」と呼ぶことで、尊敬の意を示します^3_2。
まとめ
- 「Cardinalis」はカタカナで「カーディナリス」。
- 「枢機卿」は、教会の中枢(枢機)を担う高貴な人物(卿)という意味で、カトリックの高位聖職者「Cardinal」の訳語として当てられた漢字表現です^3_2^3_5。
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