
ツツジ・サツキ・シャクナゲの見分け方

ツツジ(躑躅)・サツキ(皐月)・シャクナゲ(石楠花)は、いずれもツツジ科ツツジ属の仲間ですが、見た目や性質にいくつか明確な違いがあります。以下のポイントで見分けが可能です。
花の特徴と開花時期
種類 | 花の特徴 | 開花時期 | 花の咲き方 |
---|---|---|---|
ツツジ | 花が大きめで透明感があり、色も多彩 | 4~5月 | ほぼ一斉に開花 |
サツキ | ツツジより小ぶりで肉厚、可愛らしい印象 | 5~6月 | 徐々に開花し1週間ほど続く |
シャクナゲ | 花が非常に大きく、枝先に球状にまとまって咲く | 4~6月 | 5~10輪以上がまとまって咲く |
葉の特徴
- ツツジ
葉は楕円形で柔らかく、うぶ毛が多くふわっとした質感。色はやや黄緑がかっており、表面に光沢はない^1_1^1_5。 - サツキ
葉は小さめでやや尖り、硬くて光沢がある。うぶ毛はまばらで、茶色っぽい色味も特徴。ツツジよりも葉が小さい^1_1^1_5。 - シャクナゲ
葉は長めの楕円形で丸みがあり、表面に強い光沢がある。葉の裏に薄毛が密生し、しっかりとした厚みがある^1_1^1_4。
おしべの数
樹形・その他の特徴
- ツツジ
樹高は大きくなりやすく、剪定しないと5mを超えることもある。葉や幹に粘り気があり、枝は比較的太い^1_2。 - サツキ
樹高は1mほどで低く、小枝が多く分かれる。山の水辺に自生していたため、低く進化した^1_2。 - シャクナゲ
常緑低木で、花は枝先にまとまって咲く。高山に自生し「高嶺の花」とも呼ばれる。毒性があるため、扱いには注意^1_3。
まとめ:見分け方のポイント
- 葉の大きさ・質感・光沢
- 大きく柔らかい(ツツジ)
- 小さく硬く光沢(サツキ)
- 長く厚みがあり強い光沢(シャクナゲ)
- 花の大きさ・咲き方
- 大きめで一斉に咲く(ツツジ)
- 小ぶりで順々に咲く(サツキ)
- 非常に大きく球状にまとまって咲く(シャクナゲ)
- おしべの数
- 5本以上(ツツジ)
- 5本(サツキ)
- 10本または14本(シャクナゲ)
- 開花時期
- 4~5月(ツツジ)
- 5~6月(サツキ)
- 4~6月(シャクナゲ)
ざっくり言えば、「葉や花が大きくて春に咲くのがツツジ、ツツジより遅咲きで小枝が多いのがサツキ、花が大きく枝先に球状にまとまって咲くのがシャクナゲ」です^1_1^1_5。
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花の色や大きさは様々なのですか?

ツツジ、サツキ、シャクナゲはいずれも花の色や大きさが非常に多様です。
ツツジは、赤、ピンク、オレンジ、白など花色が豊富で、品種によって花の大きさも異なります。一般的に花径は4~5cmほどですが、大輪の品種では10cmに達するものもあります。一重咲きが多いですが、八重咲きの品種も存在します^2_1^2_8。
サツキもまた、白、淡いピンク、濃いピンク、赤紫、朱色、紫など多彩な花色があり、複色や咲き分けの品種もあります。花の大きさは小輪(直径5cm以下)から大輪(7cm以上)までさまざまです。八重咲きや剣弁咲きなど、花の形にもバリエーションがあります。1本の木で複数の花色が楽しめる品種もあります^2_2^2_9^2_11。
シャクナゲは「花木の王」とも呼ばれ、赤、ピンク、オレンジ、黄、紫、茶、白など多様な花色の品種が世界中に存在します。花径は4~5cmほどが一般的ですが、品種によってはさらに大きく、枝先にまとまって豪華に咲きます。日本原産のものにも、淡い紅色やクリーム色、ピュアホワイトなどさまざまな色があります^2_3^2_7。
まとめると、ツツジ・サツキ・シャクナゲはいずれも花の色や大きさが品種によって大きく異なり、非常に多様なバリエーションを楽しむことができます。
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街路樹としてよく見かけるのはどれでしょう?

街路樹や道路脇の植え込みとして最もよく見かけるのは「ツツジ」です。特に中低木の街路樹として全国的に多く利用されており、九州地方では過半数がツツジというほど圧倒的な普及率です。ツツジは過酷な環境にも強く、虫がつきにくく、美しい景観を保てることや空気清浄効果もあるため、積極的に選ばれています^3_6。
一方で、「サツキ」も街路樹や公園の植え込みとしてよく使われており、刈り込みに強く、樹形を整えやすいことから都市部でも多く見かけます^3_8^3_12。サツキはツツジの一種ですが、よりコンパクトで管理しやすいことから、ツツジと並んで人気があります。
「シャクナゲ」は、街路樹や道路脇の植え込みとしては一般的ではなく、主に庭園や山地で観賞用に植えられることが多いです^3_1。
まとめると、街路樹や道路脇で最もよく見かけるのは「ツツジ」、次いで「サツキ」であり、「シャクナゲ」はほとんど使われません。
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