2017年から2021年の当時米大統領ドナルド・トランプ氏の業績

ドナルド・トランプ氏の2017年から2021年の大統領在任中の主な業績を年順にリストアップします:2017年:

• 大規模減税を含む税制改革法案を成立させた1
• パリ協定からの離脱を表明2
• TPP(環太平洋パートナーシップ協定)から離脱2

2018年:

• 中国との貿易戦争を開始、関税を課す12
• 北朝鮮の金正恩氏と初の米朝首脳会談を実施2
• イランとの核合意から離脱2

2019年:

• 中国との貿易摩擦が深刻化1
• 米連邦準備制度理事会(FRB)に連続利下げを促す1
• ウクライナ疑惑で下院により弾劾訴追される2

2020年:

• 新型コロナウイルス対策として大規模な経済対策を実施1
• イスラム過激派組織ISISの最高指導者の死をもたらす軍事作戦を指揮2
• イランの革命防衛隊司令官ソレイマニ氏の殺害を命令2

2021年:

• 支持者による連邦議会議事堂襲撃事件が発生23
• 2度目の弾劾訴追を受ける2
• 1月20日に任期満了で退任2

トランプ氏の在任中は、保護主義的な貿易政策や国際協定からの離脱、税制改革、対北朝鮮・イラン政策など、国内外で大きな変化をもたらす政策が多く実施されました12。

トランプ大統領は2017年から2021年の在任中、不法移民対策を重要政策の一つとして積極的に推進しました。主な取り組みには以下のようなものがありました:

1. メキシコ国境の壁建設:
   トランプ大統領は就任直後の2017年1月に国境の壁建設のための大統領令に署名しました4。
2. 入国制限:
   2017年に特定国からの入国禁止令を発令しました2。
3. 「不寛容(zero-tolerance)」政策:
   2018年4月、違法に入国したすべての人を起訴する方針を打ち出しました2。
4. 強制送還の強化:
   不法移民の強制送還を積極的に進めました4。
5. 難民受け入れ数の削減:
   難民の受け入れ数を大幅に削減しました。2016年度の8万5千人から、2019年度には3万人まで減少しました2。
6. 移民保護プロトコル(MPP)の導入:
   2019年1月、難民申請者を審査までメキシコで待機させる制度を導入しました4。
7. 公衆衛生上の理由による入国制限:
   2020年、COVID-19パンデミックを理由に、不法移民を迅速に国外退去させる「タイトル42」措置を開始しました4。

これらの政策は、不法移民の流入を阻止し、すでに国内にいる不法移民の強制送還を強化することを目的としていました。トランプ政権の移民政策は「入口を狭め、出口に追いやる」という特徴を持っていたと言えます2。

トランプ大統領の在任期間(2017年1月から2021年1月)における米国経済の主な変化は以下の通りです:

1. 経済成長:
   2017年から2019年にかけて、実質GDP成長率は年平均2.5%前後で推移し、堅調な成長を続けました1。しかし、2020年にはCOVID-19パンデミックの影響で大幅に落ち込みました。
2. 雇用状況:

• 失業率は継続的に低下し、2019年9月には3.5%と約50年ぶりの低水準を記録しました12。
• 非農業部門雇用者数は、2016年から2019年にかけて月平均18万人以上のペースで増加しました2。

3. 個人消費:
   堅調な雇用・所得環境を背景に、個人消費は増加傾向を維持しました1。
4. 株式市場:
   減税政策や規制緩和への期待感から、株価は上昇傾向を示しました。
5. インフレ率:
   個人消費支出(PCE)価格指数は、2017年以降緩やかに上昇し、2%近辺で推移しました2。
6. 金融政策:
   FRBは2015年12月に利上げを開始し、トランプ政権下でも段階的な利上げを継続。2018年末までにFF金利誘導目標を2.25-2.50%まで引き上げました2。
7. 地域間格差:
   経済成長や個人所得の面で、州や地域による格差が見られました2。

トランプ政権下では、就任当初から2019年までは概ね良好な経済状況が続きましたが、2020年のCOVID-19パンデミックにより経済は大きな打撃を受けました。パンデミック対応として大規模な経済対策が実施されましたが、経済指標は大幅に悪化しました。

トランプ大統領在任期間（2017年から2021年）の米国内の犯罪件数の推移について、以下のような傾向が見られました：

1. 暴力犯罪全体:
   2017年から2019年にかけて、暴力犯罪の発生率は若干の増加を示しましたが、2020年には大幅に減少しました2。
2. 殺人・故殺:
   2017年から2019年までは比較的安定していましたが、2020年から2021年にかけて約12%減少し、過去数十年で最大の減少幅を記録しました1。
3. 性犯罪:
   2018年に一時的な増加が見られましたが、その後減少傾向に転じ、2020年から2021年にかけては9%以上減少しました12。
4. 強盗:
   2017年から2021年にかけて、発生率は徐々に減少傾向を示しました2。
5. 暴行:
   重度の暴行と単純暴行の両方で、2017年から2019年まで増加傾向にありましたが、2020年以降は減少に転じました2。
6. 財産犯罪:
   2017年から2021年にかけて、全体的に17%減少しました。特に侵入盗や家庭内窃盗の減少が顕著でした2。
7. 自動車盗難:
   2020年から2021年にかけて約13%増加し、他の犯罪種別とは異なる傾向を示しました1。

全体として、トランプ政権下では多くの犯罪種別で減少傾向が見られましたが、COVID-19パンデミックの影響で2020年以降に大きな変化が生じました。ただし、これらの統計には報告の限界や誤差が含まれる可能性があることに注意が必要です1。

2020年の大統領選挙でのトランプ氏の敗北の主な原因として、以下のような要因が考えられます:

1. COVID-19パンデミックへの対応:
   トランプ政権のパンデミック対応が不十分だと批判され、特に初期の段階での対応の遅れが問題視されました。
2. 人種問題と社会的分断:
   ジョージ・フロイド事件をはじめとする人種問題に対するトランプ氏の姿勢が、多くの有権者の反発を招きました。
3. 言動や態度への批判:
   トランプ氏の挑発的な発言や態度が、一部の有権者に否定的に受け止められました。
4. 中間層への訴求力不足:
   経済政策は一定の成果を上げたものの、中間層への具体的な恩恵が限定的だったという指摘があります。
5. 郵便投票の増加:
   パンデミックの影響で郵便投票が増加し、これがトランプ氏に不利に働いたという見方があります。
6. メディアとの関係:
   主要メディアとの対立関係が、情報発信や支持拡大の障害となった可能性があります。
7. 若年層や都市部有権者の支持獲得失敗:
   若年層や都市部の有権者からの支持獲得に苦戦したことが指摘されています。
8. 国際関係の悪化:
   一部の同盟国との関係悪化が、外交面での評価を下げた可能性があります。

これらの要因が複合的に作用し、トランプ氏の再選を阻んだと考えられます。ただし、トランプ氏自身は選挙結果を不正によるものだと主張し、敗北を認めていません。この姿勢が2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件につながったとされています。