30歳を記念して念願の富士登山にのぞむ

静岡県に住む私は、毎日富士山を眺めながら暮らしています。夏の夜には、登山者が使うヘッドライトが登山道に沿って輝く景色がとても印象的です。

そんな私が一念発起して取り組んだのが、「30歳記念富士登山」です。私の地元では、「富士山に一度登らぬ馬鹿、二度登る馬鹿」と言われています。つまり、「日本一の山に一度も登らないのはつまらない。でも二度も登るなんて物好きだ」ということなのです。私には登山の経験はなく、普段から運動もしていなかったため、体づくりからはじめました。1年の計画でランニングを1キロからスタートし、最終的には週に3日10キロを走りました。また、近くの低い山に2度ほど登り、「山登り」も体験しました。体力が多少はついたという実感をもって富士登山にのぞめたことは不安材料の解消にもなり、よかったと思いました。

登山当日は、富士宮登山口で1時間ほど体を慣らし、夜12時から登り始めました。御来光を目当てに夜中から歩きはじめる人は多く、暗闇にザクザクと火山灰を踏みしめる音、金剛杖についた鈴の音が賑やかに聞こえます。しかし、周囲の元気な登山者を横目に、私のペースはまったくあがりませんでした。

まず、太陽の光の中で昼間歩くのと、暗闇の中で歩くのでは、体の動きが違うのです。太陽が私たちの体にいかに大切かということを痛感しました。次に、マラソンで鍛えた筋肉と、登山で使う筋肉は当然違い、ひたすら続く登り坂に一歩を踏み出すのが苦痛でした。

さらに、標高の高さに1時間では体が慣れず高山病と思われる頭痛との闘いもありました。この苦労を乗り越えて7時間かかってたどり着いた山頂での私の感想は、「これをまた下るのか」というのが正直なところでした。もちろん山頂での御来光には間に合わず。疲労困憊の私は、山頂にある浅間神社の奥の院で御朱印をいただくのがやっと。お鉢巡りは挑戦しようとも思えず、割れるように痛い頭で下山を急ぎました。

現在は、御殿場登山口以外はマイカー規制があるため、途中の専用駐車場からバスに乗り換えて登山口まで向かうようです。私のような夜中からの、いわゆる「弾丸登山」はおすすめしません。登山道の途中にある山小屋に一泊すれば、体も順応し、高山病のリスクも減ったのではないかと悔やまれます。けれども、やはり、30歳の記念に登った富士山はいい思い出です。まだ登っていない友人をつかまえては、「一回は登ってみて」と勧めています。私はもう二度と登りませんが。

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