健康診断と人間ドックの違い、わかりますか?

健康志向がますます強まっている現在、勤務先での年に1回の健康診断と、人間ドックとを両方受ける人も多いのではないでしょうか。そもそもこのふたつの違いはどこにあるのでしょう。

■義務か任意か

健康診断と人間ドックの目的は、特に病気の自覚がない人の健康状態を調べて隠れた病気を見つけたり、将来病気にならないように生活習慣を見直すことにあります。目的とするところは双方とも同じです。

最も分かりやすい違いは、「義務」か「任意」かという点でしょう。勤務先での健康診断は、受診できずにいると何度も勧告されますが、人間ドックの場合は受診の案内が来るだけ。健康診断の受診は「義務」であり、人間ドックの受診は「任意」です。労働安全衛生法により、事業者は労働者に対し健康診断を行わなくてはならず、労働者はこれを受けなければならないことが定められています。これが勤務先での健康診断が義務である根拠となっています。一方、人間ドックにはこうした規定はありません。

この義務と任意との違いに関連して、費用負担の違いも生じています。勤務先で受ける健康診断は基本的に無料です。これは労働安全衛生規則にて、雇用主は労働者の健康診断の費用を負担することになっているからです。ただし中小企業の場合には、労働者が各自で健康診断を受けてもらい、上限を設けた上で費用負担するという方法をとっているところもあります。これに対し、人間ドックは任意で受けるものなので、基本的に費用は受診する人の負担となります。ただし人間ドック利用を推進したい健康保険組合では、補助が出るところもあります。

■検査項目

次に分かりやすい違いは検査項目の数です。人間ドックの方が圧倒的に検査項目は多くなります。勤務先での健康診断は、その検査項目も労働安全衛生規則で定められています。

健康診断では、問診、身体計測、胸部X線、血液検査(貧血、肝機能、血中脂質、血糖)、尿検査、心電図といった基本的な項目です。

一方、人間ドックでは、この基本的な項目に加えて、眼圧・眼底、呼吸機能、便潜血、バリウムもしくは胃カメラなどの項目も追加され、血液検査で調べる項目も増えます。そのほかにも腫瘍マーカー検査や脳ドック、心臓ドックなどの専門的な検査も受けられます。実施する医療機関によって検査項目に様々なバリエーションがあるのも人間ドックの特徴です。

■検査の精度

最後にご紹介する違いは、傍からは分かりにくいですが、検査の精度に対しての取り組み方の違いになります。勤務先での健康診断は、法や規則に規定されていることは先にも述べましたが、さらに厚生労働省から出された「健康増進事業実施者に対する健康診査の実施等に関する指針」という告示があります。その中で、事業者が健康診断を行う場合には、その検査結果の正確性を確保することとなっています。健康診断でおこなう検査は、検査の方法によって結果の精度が変動することが知られているため、結果が正確に出せる検査方法を採用しましょうということです。

ところが人間ドックにはこの告示は適応されないので、結果の正確性の確保は、実施する医療機関の自主的な取り組みに任されることになります。もちろん、当然のように取り組んでいる人間ドックもありますが、全てがそうではないという点には気を留めておくとよいでしょう。医療機関のHPには、検査精度向上のための取り組みについて記載しているところもあります。また、検査精度を外部から評価する第三者機関もあり、評価の結果、優良施設と認定した施設を公開しているところもあるので、参考にするとよいでしょう。

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