トイレで下を見ると便に血が混じっていた

あれは40歳ぐらいのときでしたので10年ぐらい前になると思います。ある年の正月明けにおせち料理にも飽きてしまい、家族とファーストフードのハンバーガーを食べに行きました。そこでは年甲斐もなく、子どもに負けじと大量にハンバーガーやポテトなどを注文して、家族の呆れた視線をよそに食べまくりました。それから二日ぐらい経ってトイレに大きいほうの用事で行き何気なく下を見ると、便器に赤いものが付いていました。

てっきり誰かの生理などのものでたまたま汚れていたものだと思い、トイレを出て家族に話すと誰も生理になっていないというのです。そうすると汚い話ですが自分が痔になったのかなと思い、すぐに肛門科に行って診てもらいました。ですが、先生はそこには異常が認めらてないので痔ではないと言うのです。さらに先生は続けて、念のため大腸の検査を受けたほうが良いから紹介状を書いておく、と言われました。突然にそんなこと言われても気持ちの整理がつきません。半分ぐらい呆然として待合室で待っていると受付の人は、機械的に近くの病院に良い先生がいるから持って行って、これを渡してくださいと紹介状を渡しながら説明をしてくれました。

その病院を出ると、その足で紹介状を持って検査の予約を取りに行きました。そちらの病院では紹介状を持ってくる患者に慣れていると思えて、先ほどの受付の機械的な対応とは違い丁寧に明るく接してくれました。そのとき自分の頭は、この病院は検査を主にやっているクリニックなので、きっとここに来る患者は怖い診断結果を聞くことが多いのだな、だからスタッフはあのように明るく接してくるのだな、と勝手にそういう思いが浮かんでくるのです。スタッフは、検査前日の夜は21時までに食事を終えることと、寝る前にこの下剤を飲んでください、と説明をしてくれました。検査はこちらの事情を察してか三日後ということになりました。

検査の前日は21時前に食事を終えてというより、予約を取った日から食欲がなかったのであまり食べていませんでした。寝る前に下剤を飲んで朝を待ちましたが時間が経つのが遅く、時が止まったようにさえ感じました。朝起きてトイレに直行しても便意がありません。そのまま病院に行く時間まで待ち、その時間になって病院に行きました。到着するとすぐに大腸検査を受ける人の専用待合室に通され、錠剤の下剤とシロップみたいな下剤を飲まされました。そこで一息ついているとほかの大腸検査を受ける人がやってきて、挨拶もそこそこ沈みがちの表情で空いている席に座って、同じように下剤を飲んでいました。スタッフがまたやって来て、頑張って飲み干してくださいと、2リットルぐらいの容器に入った液体の下剤を渡してくれてました。

自分とほかの人たちは無言で、まるで判決を言い渡されるのを待っている罪人のような感じになっていました。便がでなくなったら呼ばれて、検査が始まります。このとき苦しいということをよく聞にするのですが、そのときは死刑判決を言い渡される罪人の心持でしたので何も感じなかったのです。カメラで映し出された画像を見せながら先生は、ここちょっと怪しいので検査に出しますね、とぼそっと言いました。そのとき私はなぜかそのぼそっと言われたことに感謝しました。それは、どんな結果になるのかわかりませんが、明るく明朗に言われたらとても強い衝撃を受けただろうと感じたからです。内視鏡の恐怖よりも検査結果が気になった初めての検査でした。

スポンサーリンク