ピロリ菌の感染を調べる検査は6種類あり、内視鏡使用の有無で大別されます。
内視鏡を使わない検査は以下の3種類です。
- 抗体測定
- 尿素呼気試験
- 便中抗原測定
抗体検査は、血液や尿を採取後、ピロリ菌に対する抗体の有無を調べる方法です。
尿素呼気試験は、呼気中の二酸化炭素の量を比較する方法です。ピロリ菌が出すウレアーゼという酵素は、尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解します。そのため、感染者が尿素製剤を服用した後の呼気は、二酸化炭素が増加しています。これを利用するのですが、約30分で結果がでるためスピーディです。
便中抗原測定は、便へのピロリ菌の混入の有無を調べる方法で、他の検査方法より体への負担が少なく、子供への検査も可能なことが利点です。
そして内視鏡を使う検査は次の3種類です。
- 培養法
- 鏡検法
- 迅速ウレアーゼ試験
内視鏡の先端には、内視鏡ナイフというカギ型の突起物が付いており、これにより胃粘膜を一部採取して検査に用います。培養法は、胃粘膜中の菌を培養する方法で、確実性はありますが、検査結果が出るまで1週間近くかかります。
鏡検法は、胃粘膜を顕微鏡で観察して調べる方法で、即時に結果が出るものの、精度は培養法よりも落ちます。
迅速ウレアーゼ試験は、ウレアーゼがピロリ菌自身の周囲をアルカリ性にすることを利用する方法で、胃粘膜を入れた薬品の色の変化によって判定します。確実性もあり、検査自体も約20分と、スピードもあります。
これらの検査は、状況に応じて使い分けられます。